【運動方程式】使い方&公式の導出

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

このページでは運動方程式について解説していきます。

運動方程式は、$$m\mathbf{a}=\mathbf{F}$$
もしくは$$m\frac{d^2 \mathbf{r}}{dt^2}=\mathbf{F}$$と書けます。

物理においてすごく重要な式だというのに、式がとても短いですよね。
でも、その活用範囲はものすごく広いです。

何について考えるときに使うのか、別の公式へのアプローチの仕方などを見ていきましょう。

 

 

ニュートンの3法則

上で書いた運動方程式は、実はニュートンの3法則の第2法則によるものなんです。

ニュートンの3法則
第1法則:静止している質点は力を加えられない限り静止し続け、動いている質点は力を加えられない限り同じ速さで直線運動を続ける。
    →慣性の法則

第2法則:力\(\mathbf{F}\)を受けている質点は、その向きに力\(F\)に比例した加速度を持つ。
    →運動法則

第3法則:2個の質点が互いに力を及ぼしあっている時、\(\mathbf{F_{21}}=-\mathbf{F_{12}}\)の関係をを持つ。
    →作用・反作用の法則

 

ニュートンの法則とかニュートンの運動3法則とも言われますが、自分が好きな呼び方でいいでしょう。

ネットで調べればいくらでも解説がのっています。
高校物理の参考書『物理のエッセンス 力学・波動』にもわかりやすい解説が載っているので、ぜひ参照してください。

[nlink url=”https://ani-kai.com/2019/02/15/physics-essence/”]

 

式を読み解く

とても短い数式で表される運動方程式。
その式から何が言えるのでしょうか?

そのために両辺を\(m\)で割ってみます。
$$\frac{d^2 \mathbf{r}}{dt^2}=\frac{\mathbf{F}}{m}$$

すなわち、受ける力\(F\)が同じ場合、加速度は小さいということです。
言い換えると、速度の変化率が小さいとなります。

ということは、質量\(m\)が大きいほど運動の様子は変化しにくいと言えるのです。

 

これはなんとなく想像できるんじゃないでしょうか。

例えば、ピンポン玉とサッカーボールを転がすとします。(大きさを同じにする)
軽く押すと、明らかにピンポン玉のほうが勢いよく転がっていきますよね。
対して、サッカーボールはピンポン玉よりだいぶ重いので、軽く押したぐらいではなかなか動きません。

質量が大きいほど運動の様子が変化しにくいとは、そういうことなのです。

グラフは横軸\(t\)、縦軸\(x\)として、物体の位置の変化を表したものです。
左図が質量\(m=1\)、右図が質量\(m=2\)。(その他のパラメータは適当に設定)

質量が大きいほうがグラフの傾きが小さいことがわかります。
つまり、運動の様子が変化しにくいのです。

 

また、式を少し変えると、
$$\frac{d}{dt}(m\mathbf{v})=\mathbf{F}$$
とも書けます。

すなわち、(運動量の時間変化)=(受けている力)ということです。

質量\(m\)も時間微分する成分に含めていいのは、質量が時間に依らないからです。
時間に依らず一定なら、当然後ろに持ってきてもいいですよね。

 

もし力\(\mathbf{F}\)を\(\mathbf{F}=0\)とするなら、
$$\frac{d}{dt}\mathbf{v}=0$$
つまり、力\(\mathbf{F}\)を受けないなら質点は静止しているということ。

おお!これはさっき書いた第一法則まんまじゃないか!

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運動方程式から諸公式を導く

『物理のエッセンス』など高校物理の教科書・参考書では、
 ① 運動方程式を立てて、
 ② 加速度や滑った距離、摩擦力を求める。

といった問題が多く見られます。

これはこれで大事なことなんでしょうが、ここではやりません。
各自で問題に取り組んでください。

ここでは、運動方程式から色々な公式を導いていこうと思います。

 

等加速度運動 (\(x=v_0 t+\frac{1}{2}at^2\))

等加速度運動については別の記事で導出しているので、そちらを参考にしてください。

[nlink url=”https://ani-kai.com/2019/07/14/constant-acceleration-linear-motion/”]

 

重力 (\(\mathbf{F}=m\mathbf{g}\))

 

重力と言えば\(\mathbf{F}=m\mathbf{g}\)。
しかし、なんで\(m\mathbf{g}\)となるのかは以外と知らないはず。

ということで、ちょっと導出してみましょう。

 

まず、物体が落下する様子を考える。比例定数を\(k\)とすると物体が受ける力(重力)は、
$$\mathbf{F}=-km_G\mathbf{e_z}$$
と書ける。(ただし、鉛直上向きを正とし、\(m_G\)は重力質量)
これを運動方程式に代入すると、
$$m\frac{d^2 \mathbf{r}}{dt^2}=-km_G\mathbf{e_z}$$
となる。さらに両辺を\(m\)で割ると、
$$\frac{d^2 \mathbf{r}}{dt^2}=-k\frac{m_G}{m}\mathbf{e_z}$$
\(k\frac{m_G}{m}\)=gとすれば、
$$\frac{d^2 \mathbf{r}}{dt^2}=-g\mathbf{e_z}$$
となる。
ここで、ガリレオが唱えた「物体は重さによらず同じように落ちる」ことから\(g\)=一定としています。
つまり、\(k\frac{m_G}{m}\)=一定であるから、重力質量\(m_G\)と慣性質量\(m\)が等価であることが言えます。
すなわち、
$$m_G=m$$
とすることができます。ということは\(k=g\)となるので、重力は
$$\mathbf{F}=-mg\mathbf{e_z}$$
と書ける。
$$\mathbf{g}=-g\mathbf{e_z}$$
とすれば、
$$\mathbf{F}=m\mathbf{g}$$

と書け、よく知っている式が出ました。

導出の際、重力質量と慣性質量という謎のワードを出しました。
簡単に言えば、

重力質量 ➡ 物体の動きやすさを表した量
慣性質量 ➡ 物体の万有引力の受けやすさを表した量

ということです。

より詳しい内容は以下のサイトを参照してみてください。
詳しく、おもしろい内容が載っています。

 

外部リンク

 

 

単振動

なめらかな水平面上に質量\(m\)のおもりを、バネ定数\(k\)のバネの先端に取り付ける。
そして、バネの他端を固定した場合のおもりの運動を考えていきます。

 

まず、バネの固定端の\(x\)座標を\(x=0\)とします。
さらにバネが自然長のときのおもりの中心の座標を\(x_0\)とする。

すると、おもりが受ける力は
$$\mathbf{F}=-k(x-x_0)\mathbf{e_x}$$

と表せます。

\(x-x_0\)はプラスになったりマイナスになったりするので、右辺には” – ”がつくのです。

 

これを運動方程式に代入すると、
$$m\frac{d^2 x}{dt^2}=-k(x-x_0)  (1)$$

ここで\(y(t)=x(t)-x_0\)とおくと、
$$\frac{dy}{dt}=\frac{dx}{dt} ,  \frac{d^2 y}{dt^2}=\frac{d^2 x}{dt^2}$$
とできる。これを\((1)\)式で考えると、
$$\frac{d^2 y}{dt^2}=-\frac{k}{m}y  (2)$$
となる。

この式の解を求めていきます。
\(t\)で2階微分したものに元の状態が含まれている関数と言えば、おなじみ三角関数ですね。
$$\frac{d^2}{dt^2}sin\omega t=-\omega^2 sin\omega t$$
$$\frac{d^2}{dt^2}cos\omega t=-\omega^2 cos\omega t $$
となるので、\((2)\)の一般解は、
$$y(t)=Asin\omega t+Bcos\omega t$$
よって、\((1)\)の一般解は、
$$x(t)=Asin\omega t+Bcos\omega t+x_0   (3)$$
(\(A,B\)は任意定数)
となります。

初期条件を \(x(0)=a\)、\(v(0)=\frac{dx(0)}{dt}=0\) とすると、
$$x(0)=B+x_0=a$$
$$B=a-x_0$$
さらに\((3)\)式を\(t\)で微分すると、
$$v(t)=\dot{x}(t)=A\omega cos \omega t-B\omega sin\omega t$$
であるから、
$$v(0)=A\omega=0 つまり A=0$$

これらより一般解は、
$$ x(t)=(a – x_0)cos\omega t+x_0 $$
となり、求めたい式を導出できました。

 

バネの自然長ときのおもりの中心座標を\(x=0\)とすれば、
$$x(t)=acos\omega t$$
となり、振幅\(a\)、周期\(T=2\pi\sqrt{\frac{m}{k}}\)の単振動をすることがわかります。

今回は三角関数で解いてみましたが、指数関数でも導出することはできます。
というか指数関数のほうがよく使います。

実際に自分で解いてみるのもいいですね。(投げやり)

 

最後に

いかがだったでしょうか。
運動方程式について理解は深まったでしょうか。

運動方程式は物理学において、これでもかってくらい登場してきます。
それほど重要な式なのです。

 

 

 

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